福岡eスポーツ協会の中島会長に訊く「今後のeスポーツの課題」

中島会長 インタビュー

今回は福岡のeスポーツ関係団体のなかでも、勢いのある福岡eスポーツ協会(@esports_fukuoka )の中島会長に直接インタビューさせていただく機会を得ました!

  • 福岡eスポーツを立ち上げた経緯
  • 地域でeスポーツ活動を行うメリットについて
  • eスポーツの課題
  • 今後福岡eスポーツ協会が目指すべき展望

上記の内容を聞いてきました。
1つでも気になるワードがありましたら是非ご覧ください。

中島 賢一(なかしま・けんいち)
民間IT企業を経て、福岡県に入庁。福岡県にてITやコンテンツ産業振興を活発に行い、ソフトウェア産業の中核拠点の福岡県Rubyコンテンツ産業振興センターを立ち上げる。2013年4月より福岡市に移籍。
ゲーム・映像係長や創業支援係長として、ゲーム、映像などのクリエイティブ分野やスタートアップ企業のビジネス支援に奔走。その後、公益財団法人福岡アジア都市研究所にてeスポーツの普及に関する研究を行う。プライベートでは、10年にわたってトレーディングカードゲームのイベントを開催し、子どもたちからデュエルマスターと称されている。
2018年9月に設立した福岡eスポーツ協会の会長も務める。

福岡eスポーツ協会の中島会長にインタビュー

――本日はよろしくお願いします。
今回は、福岡eスポーツ協会に関してお話を聞かせていただけたらと思います。
そこで、まずは中島会長についてお聞かせいただきたいことがあるのですが、福岡市の行政でお勤めになっているんですよね。

中島会長 そうですね。
元々は、IT業界にいて開発やマーケティングなどしていました。
そこでIT業界とゲーム業界にお付き合いがあり、そのあと行政に勤めて現在があります。

――そこでゲーム業界とのお付き合いもあったんですね。
中島会長は現在、エンターテインメントの分野で活動されていますが、中島会長から日本のエンターテインメントはどのように見えていますか?

中島会長 ずっとエンターテインメントというものは軽い存在として扱われていたんですよね。

産業の分類で言うと、昔で言う自動車産業や農業などそういった主たる産業が中心で、エンターテインメントのほうは無くてもあってもいいという扱いで、そこまで重要視されていなかったんですよ。

――確かに車や食べ物は無いと困るけど、エンターテインメントは無くても生きていけるという傾向は強かったですね。

中島会長 だけどいまや、ひとつの生活を彩るうえでエンターテインメントというものは、非常に重要性を帯びているんです。

例えば「楽しくなる買い物」「出かけるのが楽しくなる」とかで、人は楽しくなると行動が進むんですよ。

だからエンターテインメントは、物事を前に進める力を持っています。

――楽しいという感情で行動するきっかけが増えることは多いですね。

中島会長 そうですよね。

ゲームは楽しいじゃないですか。
ゲームの大会をすると人が外に出てきますよね。

人が行動する、コミュニケーションをとる、そうすると心を通じ合わせますよね。
そういった人の行動を生み出すエンターテインメントのひとつにeスポーツがあると思っています。

そこに可能性があるので、行政の身分で地域を盛り上げたいという気持ちがあって活動してますね。

――ゲームで生まれるコミュニケーションはたくさんありますからね。
昨年(2018年)行われた【第1回ももち浜eスポーツ選手権大会】でもそれを改めて実感しました。

ゲームによるコミュニケーションを目の当たりにした【第1回ももち浜eスポーツ選手権大会】のレポート記事はこちらから

【第1回ももち浜eスポーツ選手権大会】ゲーム大会のあるべき姿がここにあり!福岡eスポーツ協会の中島会長が今大会で感じたeスポーツの変化とは
2018年12月8日に‪福岡で開催された【第1回ももち浜eスポーツ選手権大会】に行ってきました。 会場は海が近いこともあり、肌寒さを感じます。 受付...

人がポケモンを捕まえに行ったのではなくポケモンが人を外に連れ出した


――中島会長が『ポケモンGO』で町おこしをしたというのを聞いたことがあったのですが、やはりそういったところから生まれたアイディアだったんですか?

中島会長 そうですね。
人は『ポケモンGO』をする為に外へ出る。
実際、かなりの人たちが外に出ましたよね?

――ですね!
社会現象にまでなりました。
『ポケモンGO』で外に出る人が増えましたが、あそこまで多くの人が動いたことにはやはり理由があるんでしょうか?

中島会長 あれは人がポケモンを捕まえに外に出たわけではなくて、ポケモンが人を外に連れ出したんですよね。

画面上にいるポケモンがここにいそうだ!となると人が連れ出されるんですよね。
デジタルコンテンツが人の動きを支配しているんですよ。

だって「ここにいるよ!」と言ったらみんな行くじゃないですか。

さきほども言いましたが、人はなぜ行動するのかと言うと、もちろん欲があって行動するということもあると思いますが、楽しいという感情をベースに行動しているからなんですね。

――確かに!自分もポケモンに連れ出されていました。

中島会長 「『ポケモンGO』をすると人の行動がどう変わるのか」ということを行政の立場で研究をしてきたんですよ。

その時に得た結論で、デジタルコンテンツが人を外に連れ出していること、人の行動が変わるポイントにデジタルコンテンツがあるということが分かりました。

当たり前ですけど、嫌な場所には行かないじゃないですか。
世の中のためになる、楽しいものを見つけていくことは大切ですね。

福岡市がeスポーツに積極的な活動をしている背景について

――福岡でのeスポーツの動きがとても積極的に感じるのですが、そこは福岡市長である高島市長(@so_takashima)からもなにかお声かけなどはあったのですか?

中島会長 高島市長から直接というよりは、もともと福岡市がゲーム都市宣言しているというところに非常に大きな意味があって、市役所自体がゲームに対して福岡は親和性があると発信しています。

そこの文脈には必然的に、eスポーツというものがでてくるわけです。
ゲーム都市福岡なんだから、当然eスポーツも盛り上げようというムード感がありました。

それで今回EVOが福岡にやってくるという情報を得て、福岡市も含めて様々な関係団体がEVOを誘致しようとして動きました。

これが結果的に福岡市がeスポーツを応援していくという姿勢になったわけです。

※EVOとは、アメリカ・ラスベガスで開催されるEVO(Evolution Championship Series)という世界最大級の格闘ゲーム大会があり、大会の模様はインターネットでも配信され、最大同時視聴者数は、約25万人に至る。そのEVOが2019年2月15日~2月17日に福岡でも開催が決まりEVO JAPAN2019という名称になっている。

EVO JAPAN2019公式サイトはこちらから。

――そうだったんですね!
福岡市は、「産(GFF)」「学(九州大学)」「官(福岡市)」という福岡ゲーム産業振興機構があり、地元からゲーム業界を盛り上げていくという活動が強いという認識があったので、そこからもさらにeスポーツは発展していくと考えていたのですが、どうなんでしょうか?

中島会長 実は私はGFF側の窓口もやっていました。

GFFの人たちは。まだeスポーツの活動に近いわけではありません。

しかし、いずれ彼らもeスポーツに触れていくフェーズがくると思うんですよ。

その時に福岡市の方からもしっかりと、彼らと一緒にできる環境を作っていきたいと思います。

※GFFとは、『GAME FACTORY’S FRIENDSHIP』の略称で、九州・福岡のゲームソフト制作関連会社など
12社(2018年8月現在)による任意団体です。
2003年、福岡のゲーム制作会社3社が主催となり開催されたゲームイベント、
『GAME FACTORY FUKUOKA 2003 (GFF 2003)』をきっかけに翌2004年発足。

九州・福岡のゲーム制作関連会社がパートナーシップを結び、九州・福岡を、ゲーム産業、デジタルコンテンツ産業の世界的開発拠点とすることを目的に活動を進めています。
2005年には、世界に通用する技術開発と人材育成を目的に、九州大学との産学連携がスタート。
翌2006年、産学官連携組織「福岡ゲーム産業振興機構」(※)を設立しました。

GFFメンバーはこの10年でCGやサウンド、デバッグなどゲーム開発に携わるさまざまな専門企業が加入。
ますます広がりを見せています。

そして、2014年3月に、発足10年を記念とした『GFF2014(Game Fan in Fukuoka)を開催。10日間で約3万人を動員する過去最大規模のイベントとして成功をおさめ、ゲーム都市福岡を全国に向けてPRしました。
GFFは次の10年にむけて、さらなる飛躍を続けます。

(※)福岡ゲーム産業振興機構とは・・・?
2006年、福岡を世界的ゲーム産業拠点にすることを目的に、GFF・九州大学・福岡市の3者によって設立しました。日本ゲーム業界史上初の「産」「学」「官」の連携機構は、全国から注目を集め大きな期待が寄せられています。

GFF公式サイトはこちらから

どこにもないなら自分で作ろう!から誕生した福岡eスポーツ協会


――様々な地域でeスポーツ協会が発足されていきましたが、福岡eスポーツ協会はどのような経緯で発足したのですか?

中島会長 2017年の夏頃から福岡でeスポーツの事業ができないかと福岡市の身分で考えていて、福岡に福岡地域戦略推進協議会という福岡の経済を活性化する為の団体があるのですが、私がそこのメンバーで、そこでeスポーツについて提唱しました。

そして2018年6月にeスポーツのプロジェクトを正式に考える「eスポーツ×ビジネス創出分科会」という協議会の中にプロジェクトチームができて、eスポーツを推進していこうという形になりました。

その過程で福岡市にeスポーツに取り組んでくださいと言いたいのですが、福岡市も民間にeスポーツのムーブメントがないとなかなか手が出せないんですよ。

行政がいきなりeスポーツをやりますと言っても「なぜ税金でゲームをする人を応援するんだ」となりますよね。

――確かにいきなり行政が「eスポーツやります!」と言っても周りが盛り上がっていない状態だと成功はしませんね。

中島会長 まずは民間で盛り上がる必要があります。

それで民間でeスポーツ系の団体がないか探してみたのですがなかったんですよ。

団体がなかったらムーブメントできない、そこで思ったんです。

「そうだ!自分で立ち上げてれば良いんだ」

それで自分の方で福岡eスポーツ協会を立ち上げさせてもらいました。

――その発想ができても実際に行動に移すのが大変だと思いますが、しっかりと形にしたことが素晴らしいです。
メンバーはどのようにして集まったのですか?

中島会長 有志で集まりました。
もともとゲームを愛する仲間たちがいたので、仲間たちに「eスポーツの団体を作ろう」という呼びかけをしたら快く了承していただけました。
そこが福岡eスポーツ協会の始まりですね。

福岡eスポーツ協会の設立を2018年9月に公表した理由は「EVO JAPAN2019」の存在

――なるほど。
それで2018年9月というタイミングで公表されたんですか?

中島会長 そうですね。
9月というのも理由がありまして、EVO JAPAN2019の発表が秋頃にあるだろうなと思って、まずはできるだけ早く立ち上げることにしました。

そこで、EVO JAPAN2019の種目が正式に発表されて活動がある時に、福岡eスポーツ協会がきっちり関わっていこうとなって9月に設立を公表しました。

――まずはEVO JAPAN2019を軸に立ち上げるタイミングが決まったんですね。

中島会長 しかし、急いで立ち上げたもののEVO JAPAN2019の種目が正式に発表されるのが予想よりも後でしたね。

ですので、そこまで急いで立ち上げる必要はなかったんですけど、イベントやeスポーツの大会に関わる機会が増えたので結果的に9月に立ち上げて良かったと思っています。

自分で動かないとムーブメントにならない!行動力とスピードが世間に知ってもらう方法

――私自身も福岡のeスポーツ関連のイベントや大会に行ったときに、あらゆる場面で中島会長がいらっしゃったので、常に前線でも活動されているんだと認識していました。
幅広く活動される時に、なにか意識していることはありますか?

中島会長 様々なニュースやインターネットの記事などでも「これからeスポーツはくるぞ!」と言われることが多いですが、自分で動かないとムーブメントにならないんですよ。
ムーブメントというのは運動なので。

運動というのは、じっとしていても運動にはなりませんよね。

ですので、こういった運動は早く広く大きくやることを意識して活動しています。

――なるほど。
実際に活動しているのを見ないと認知されませんからね。

中島会長 福岡eスポーツ協会に関しては、確かに見切り発車的なことはあるのですが、そういった団体ができたことをいち早く世の中に出すことが大事だと思います。

それで改善点があればその都度修正できるので、まずはスピードを大切にしました。

時間をかけて半年くらい準備して満を持してできたぞ!と言うときには、世の中とのスピードにズレが生じますからね。

これは、ビジネスの世界のマーケティング的にもアドバンテージが取れません。

――時間をかけたからといって良い結果がでるというわけではないんですね。

中島会長 スピード感を持って世の中に展開することが大事です。
「早く立ち上げ早く展開する」ということですね。

立ち上がったものの何も行動せずにいて、みんなから「なにしているんだろう」というのが続くと組織を立ち上げた意味がありません。

ですので、矢継ぎ早にeスポーツの大会を展開することで、福岡eスポーツ協会が何者かを世間に知っていただく機会ができました。

――途切れることなく展開することで、記憶の中に残りますからね。
CEDEC+KYUSHU 2018でも、eスポーツ関連で中島会長が講演されていましたね。

※CEDEC+KYUSHU 2018とは、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けのカンファレンスで、一般の方からゲーム業界の方などが受講できます。

中島会長 CEDEC+KYUSHUは毎年でているのですが、そのテーマをeスポーツにしただけですね。

しかし、そこをeスポーツにすることで福岡eスポーツ協会として露出ができますよね。
その時に絶対に起きるのが、ハレーション(周囲に悪影響を及ぼす)なんです。

「あの団体はいったい何者なんだ?」
「怪しいな」

と思っている人たちがCEDEC+KYUSHU 2018の講演に来ていただいたことによって、福岡eスポーツ協会が何者なのかということを結果的に知ってもらうことができました。

――確かに正体が分からない団体だと、信頼できませんからね。
公の場にでることで、何をしている人たちなのか分かるので露出することは大事なんですね。

多種多様な業種からの情報発信で多くの方に知ってもらう

中島会長 あと大きく広げるということなんですが、福岡eスポーツ協会というのは様々な人たちが入っています。

広告代理店、イベントのプロデューサー、芸能事務所、メディアや私みたいな行政の人間などですね。

多種多様な人たちがいることで、広がるんですよ。

――なるほど!
1つの業種ではなく、多種多様な業界の方々の発信があれば多くの人に知ってもらえますね。

中島会長 そうなんです。
ゲーム業界だけで行うと、ゲーム業界とファンにしか広がらないんですよ。

多種多様な業種が絡むことによって、誰かが発信した時に多種多様なほど大きく広がるんです。
ですので、活動していくうえでスピードと広がりは必要だと思います。

テレビなどのマスマーケティングでは多くの人にプロモーションができるんですが、実際にどれだけの人に興味を持ってもらえたのかが分かりません。

多種多様な人に発信してもらうことをコミュニティマーケティングというんですが、コミュニティをベースに物事を広げていきます。

コミュニティマーケティングだと、ファンがファンを広げていきますよね。
そうすると一気に広がればすごく多くの方に興味を持ってもらうことができるんですよ。

ファンもアンチも両方広がるので、まずは広げることが大切です。

アンチの意見にも誠実に向き合うことでプラスの効果が生まれる

――アンチが増えることはマイナスにはならないんですか?

中島会長 私は全員が「それ良いね」と言っているものは広がらないと思うんですよ。

良いと思った人、良くないと思った人の両方いることで広がると思います。

アンチはアンチなりの言葉で広がります。
そのあとにしっかり我々が何をしているのかを表現することで、アンチの人達から「奴らもなかなか良いんじゃないか」という風になれば、広がった先が全て良いことになります。

私は良いと言ってる人たちと、良くないと言っている人たち両方に誠実に向き合っていくことが大事だと思います。

――アンチの意見をマイナスに捉えるのではなく誠実に向き合うことでプラスの効果になっていくんですね。

スモールスタートでコンパクトに展開できることが地方の強み

――2018年から様々な地域からeスポーツの組織や団体が誕生しましたが、地域でeスポーツを盛り上げていくメリットは何でしょうか?

中島会長 1つは、こじんまりとできることですね。

例えば、東京の渋谷とかだとこっそり小さくはできないじゃないですか。
でも、地方だとそれを小さくしてもできます。

まずは、スモールスタートですね。
いきなり渋谷のど真ん中でeスポーツの大会をするといっても、会場を用意するのは難しいです。

借りるために何か月先まで予約がかかったり、莫大な資金がかかって借りられませんというケースもありますよね。

でも地域だと比較的簡単にできます。
これは地方の強みですよ。

――なるほど。
確かにイベントや大会をやる会場を用意できないと活動ができませんからね。

中島会長 小さくしかできないということは、デメリットでもあるんですがメリットでもあるんですよ。

コミュニティを広げていくということに関しても地方というのは親和性があると思います。

気楽に活動できることが地方の強み

――中島会長から見ても福岡のeスポーツは盛り上がっていると感じますか?

中島会長 そうですね。
盛り上げるぞ!というよりは適度に肩の力を抜いて活動が行われているのが非常に良いと思います。

最初から気合を入れすぎて、売り上げの目標とか言われても、それを達成するために苦々しくやるのって辛いじゃないですか。

それよりは、気楽に立ち上げて楽しむことのほうが大切だと思います。

――特にこのようなエンターテインメントに関しては楽しんで活動を行うことがより必要ですよね。

中島会長 はい。
楽しくないと仕事でも前に進みませんよね。

「気楽」という言葉には「楽」という言葉が入っているように、楽しむことは大事なことです。

ですので、気楽に活動できるのが地方でやる強みだと思います。

世の中のお母さんたちに応援してもらえる環境作り

――では、福岡eスポーツ協会のこれからの活動や将来のビジョンを教えてください。

中島会長 ゲームのプレイに関してコアな人、ライトな人、エンジョイな人、仕事の人、みんなそれぞれ楽しみ方の立ち位置があって、そういった人たちが等しく繋がるような世界を作りたいと思っています。

あと、もうひとつ最大の勝利は世の中のお母さんがeスポーツの大会があるときに子どもを送り出して「お母さんも後で応援に行くからね」という世界ができたときにゲームがスポーツになると思います。

――母親を納得させることが大きな課題ですね。

中島会長 私はゲームが本当の意味でスポーツになるには家族が応援して、子どもが出場して、「子どもの部門」「大人の部門」「シニアの部門」があってこの全部が揃わないとゲームはスポーツだと言えないと思います。

私はこのすべての層に興味を持ってもらえることをやっていくことが、これからの展開でもありますし、それが広がることが夢でもあります。

eスポーツがスポーツとして認められれば学校のヒーローになれる

――そうですよね。
家族というのはスポーツにおいて必要不可欠な存在ですから、家族に興味を持ってもらうことがeスポーツをさらに広げる為に重要になってきますね。

中島会長 スポーツと名がつくからには、学校教育とか部活など、そういうところまで活動が発展していけばと思います。

運動するスポーツができる人は学校で人気者になったりするじゃないですか。
でもゲームはできるけど少し地味な人はクラスでも、のけものにされがちなんですよ。

だけどもし、これがゲームがスポーツになってインターハイや国体などで選ばれれば学校の横断幕にでるわけですよ。

――「〇〇高校eスポーツ部 国体出場おめでとう!」と言うことですね。

中島会長 そしたらヒーローになるじゃないですか。

だから、少しおとなし目だった人たちも堂々と「俺はeスポーツ部だ!」と輝けるような世の中がくるのではないかと思っています。

その為には、小さい頃からeスポーツに親しむ環境を作らないといけないんですよ。

ですので、小さい子でも参加できるeスポーツイベントを開いていきたいと思います。

eスポーツのゲームは「物を売る」から「多くの人が楽しむ為」へシフトチェンジが必要

――野球も小さい頃からやっていて、そこから甲子園がありプロ野球がありますからね。
その為にはゲームは、どのように変化していく必要があると思いますか?

中島会長 「物を売る」ということをベースにするよりも「多くの人が楽しむ為」にもっとゲームがシフトチェンジしていかないといけないと思います。

難易度を調整するとか、課金要素があるゲームなどでは課金要素を薄くして工夫すれば強くなるみたいことが必要です。

今後そういったゲームが増えてくると思います。
そうじゃないと子どもがついてこれないですよね。

お金で強くなるのではなく、子どもでも強い、おじいちゃんでも強いと言える為にも統一した条件で戦うのがスポーツですから、同じ条件で対戦できることが大切です。

――課金すれば強くなると一定の人しか勝つことができないので、スポーツとして多くの人に参加してもらう為には同じ条件で対戦できる環境を作る必要がありますね。

デフォルメできるスポーツは流行る

――国際オリンピック委員会の方が「ゲームをする為にはハードを買う必要があるが、サッカーはボールがあれば誰でもできるという差ができている」と言っていましたが、ゲームはその差を埋めるのは難しいのでしょうか?

中島会長 スポーツが広がるポイントとしてデフォルメされるかされないかなんですよ。

サッカーはボール1つあればできるじゃないですか。
野球も打つ物と球があればできるじゃないですか。

それくらいで、できるスポーツというのは流行るんですよ。

でも、カーリングとかは簡単にはできませんよね。

ではゲームはどうか?となるとゲーム機さえあればできますよね。

確かにハードを買う必要はありますが、比較的身近なものなのでデフォルメされやすいと思います。

――確かにカーリングよりは明らかにゲームの方が身近でどこでも簡単に始められますね。

中島会長 スマホもPCもゲーム機も結構皆さん家にあるんですよね。
問題なのは持っていてもやっていないことです。

パソコン持っていてもパソコンのゲームはやらない。
スマホ持っていてもスマホのゲームはやらない。
家庭用ゲーム機があってもやらない。

そういう人たちがやるような環境を作ることが必要になってきます。

――持っているけど実際にやってない人は多いですね。

中島会長 「金がかかるなぁ」というよりも「気軽にできるなぁ」の方が広がると思います。
そういったゲームデザインのものが出てくれば、もっとeスポーツは広がると思いますよ。

――気軽にできるゲームがeスポーツに繋がるんですね。

ピアノを3時間弾いても怒られないのにゲームを3時間すると怒られることの理由について真剣に取り組む必要がある

――eスポーツは性別も障がいも関係なく、挑戦できるスポーツだと思うので広がって欲しいと思っています。
福岡eスポーツ協会はeスポーツがより世間に広がる為に、どのような活動を考えていますか?

中島会長 ゲームが悪く思われることを払拭していくことをやっていきたいですね。

福岡eスポーツ協会としても「イベントやります」とか「こんなプロゲーマーがいます」とかだけではなく、「eスポーツには課題はあるけど本当はとても良いんだよ」ということをしっかりと伝えていきたいです。

どうしてピアノを3時間弾いても怒られないのにゲームを3時間すると怒られるのかなど、そこにひそむ重大な問題を取り除いていかないといけないと思うんです。

母親がゲームに対して反対する理由について、もっとeスポーツに関わる人間が真剣に取り組んでいかないといけないと思います。

――とても難しい課題ですが、最も大事な課題でもありますね。

中島会長 だから私は行政の立場でeスポーツに携わっています。

行政の人が「ゲームは悪くないですよ」と言えば説得力がありますよね。

やはり誰かが「ゲームは悪くない」ということを伝えないといけないです。

――伝える力がある人が伝えてくれると印象は大きく変わりますからね。

日本のeスポーツは観戦しやすい環境作りが大切

――今後もゲームの大会が増えて色々な方に見てもらいたいですね。

中島会長 そうですね。
百聞は一見に如かずという言葉がありますが、まさにその通りです。

あと、eスポーツ大会を企画する人や準備する人たちにも敬意を払う必要があると思います。

eスポーツはプレイヤーの為にあると言うんですが、私はそれは違うと思っていてeスポーツは見る人たちの為にあると思っています。

だってプロ野球は何の為にやっていると思いますか?

――ああ!観戦の為ですね。

中島会長 はい、観戦してくれるお客さんの為ですよね。
スポーツは見られてなんぼですよ。

プロ野球選手は、ファンの為に野球をやっていますよね。
それで沢山の人が見てくれるから、スポンサーがついて価値がでて選手の年俸になります。

だから、これからのeスポーツは観戦しやすい環境作りが大切になってきます。

その為にも、大会やイベントの環境を作ってくれる方に敬意を払っていくべきだと思っています。

――確かに選手だけに目がいきがちですが、観戦するための環境を作っている方たちがいるからこそ大会などができていますからね。

私たちもeスポーツの課題と向き合っていき、eスポーツの本来の可能性をしっかりと情報発信していきたいと思います。

本日はありがとうございました。

まとめ

中島会長
eスポーツの大きな課題として「母親の理解」が見えてきました。

母親、または両親にどうすればeスポーツが健全であることを理解してもらえるか、しっかりと考えていかないといけません。

また、eスポーツを盛り上げる為に考えるべき点は他のスポーツ同様「観戦」だということに改めて気づかされました。

海外に比べて日本が劣っている部分が「観戦」の環境です。

大会が見られる機会を増やす。観戦しやすい環境を作る。誰でも気軽に参加できる大会作りをすることが、今後日本でeスポーツが発展する為の大きなポイントだということが分かりました。

その課題に対して、積極的に取り組みを始めている福岡eスポーツ協会は今後も注目です!

家族全員がリビングでeスポーツを観戦する未来は遠くないかもしれません。

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